携帯電話番号、職歴などの個人情報が知らぬ間に引き出され、高額で不正取引される情報漏洩事件が相次ぎ発覚、30人以上が逮捕されている。日常的に多くの個人情報に接し、高いモラルが求められるハローワーク非常勤職員、携帯電話の販売店員などが、職場のデータベースから情報を抜き取って、探偵に売り、金銭を得ていたのだ。警察の捜査で、“情報屋”と呼ばれる調査業者が、探偵から得た個人情報を買い取る大規模な“闇取引ネットワーク”の存在が浮かび上がってきた。背景には、2005年の個人情報保護法の施行で、個人情報への規制が強まり、情報の“商品価値”が高まったことと、企業や行政がデータベースの一元管理を進める中で、アクセス権のある従業員が大量の情報を引き出せるようになった点が上げられる。法と管理システムを逆手にとる手口の実態と、企業などの対策を追う。
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