5人の死者を出した焼き肉チェーン店での“ユッケ”食中毒事件から1年あまり。対策として国が打ち出した「牛レバ刺し全面禁止」の方針をキッカケに、“食の安全”と“食文化”をどう両立していくかをめぐって大きな議論が巻き起こっている。被害者をこれ以上出さないためにも生食に対し、厳しい規制を求める声がある一方、「国が一律に禁止すれば地域が育んできた食文化を損ないかねない」という声が、食肉業界だけでなく、地鶏の生食文化が根付いている鹿児島などからもあがっている。刺身、生牡蠣、生卵など独自の生食文化を築いてきた日本。一方で、生食には細菌や寄生虫などよって健康や生命を脅かされるリスクも伴う。食のリスクとどう向き合い、食文化の多様性を保っていくか?生食をめぐる議論から考える。
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