国連による制裁決議にもかかわらず、核開発を加速させるイラン。今年に入って新たな核施設を稼働させ、ウラン濃縮の性能を向上させた新型の遠心分離器を導入したと発表した。あくまで「核の平和利用」だと主張するイランだが、IAEAは「イランは核兵器の開発に等しい研究を行っている」とする報告書をまとめ、疑惑はさらに深まっている。このイランの動きを“国家存亡の危機”と見なし警戒を強めているのがイスラエルだ。イスラエルの殲滅を掲げるイランの核開発を、第2次世界大戦中に起きた「ホロコースト」になぞらえ、開発を阻止するためには軍事攻撃も辞さない構えを見せている。なぜ双方は妥協しないのか。打開策はあるのか。今月初めに投票が行われた議会選挙で強硬な超保守派が台頭したイラン、国民全員にガスマスクを配布して“戦時”に備えるイスラエルを取材し、高まる緊張の背景を伝える。
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