42年続いた「水戸黄門」が最終回を迎え民放の連続時代劇のほとんどが姿を消すなど、時代劇はいま、その制作技術の伝承にあたって、危機に直面している。特に、かつて「東洋のハリウッド」と呼ばれた京都太秦では、「時代」を再現する技を持つ衣裳や結髪、美術、殺陣など、100年かけて練り上げられた職人技が消えようとしているのだ。京都府などは、この事態は映画産業の衰退だけでなく、日本文化の危機につながるとして、民放各局に対し連続時代劇の継続を求める要望書を提出した。さらに撮影所や自治体が協力して時代劇をテーマにした映画祭を企画。国家戦略として時代劇制作に力を入れる韓国の監督を招聘、海外のクリエーターに日本の時代劇の制作を体験してもらうなどの取り組みも始まった。時代劇が育んできた日本文化の世界と、現代社会にとっての意義を考える。
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