学習指導要領の改訂により、来年度から中学校の理科で放射線に関する教育が31年ぶりに本格的に復活する。しかし教師のほとんどは指導経験が皆無の上、ベクレル、シーベルト、グレイなど放射性物質にまつわる単位を理解させるだけでも難しい。福島第一原発の事故以来、溢れる放射線の情報の中から、正しい知識をいかに教えていくのか、教育現場では既に模索が始まっている。いたずらな不安や恐怖の原因となる“思い込み”を生まないように、実際に土壌の放射線測定実験に取り組む中学校や、ザリガニなど子どもに馴染みある生き物の観察授業を通して被曝とは何かを教える小学校など、放射線に関するより深い理解を促す授業を試みる教育現場を取材。動き始めた放射線教育の最前線を伝える。
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