厚労省の推計で208万人(22年時点)とされていた認知症の人が想定以上に増えていることがわかってきた。治療薬の開発が停滞するなか注目されているのが、認知症の人に対する「接し方」の研究だ。最先端の脳画像検査でわかったのは言語能力が落ちる認知症でも「相手の表情を読み取る能力は大きくは損なわれない」という事実。ついついやり過ぎる指示や注意も、その「内容」は伝わらず「怖い表情」だけが伝わりストレスになるというのだ。こうした接し方を変えただけで徘徊や暴言などの「問題行動」が大幅に軽減されるという臨床例も報告されている。もはや誰もが直面する社会全体の課題となった認知症。その「今すぐできる対策」の最前線に迫る。
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