いま、日本の事故調査が被害者の声によって大きく変わろうとしている。平成17年4月、107人の命が失われたJR福知山線事故。国の事故調査委員会は最終報告書を出し調査を終結していたが、一昨年、その調査委員たちが加害企業・JR西日本に調査情報を伝えていた「漏えい問題」が発覚。国は、調査を改めて検証し直す、前例のない「検証チーム」を設置し、遺族・負傷者7人が参加することになった。発表された検証の結果には、日本の事故調査の課題とあるべき姿の提言が盛り込まれた。事故調査の在り方に関しては、国土交通大臣が制度の見直しを明言し、消費者庁でもあるべき調査をめぐる議論が進められている。福知山線事故の検証チームの動きを軸に、NHK独自の調査報道を加え、福島第一原発事故の検証でも重要となる事故調査の現状と課題を問いたい。
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