経済の低迷で拡充されてきたセーフティネット。リーマンショック後に新設された総予算1兆円の「第二のセーフティネット」と呼ばれる失業者向けの貸付制度などが、巨額の金に目を付けた闇社会の標的にされている。その一つ、一人あたりの貸付額は最大で200万以上にのぼる「総合支援資金貸付制度」では、今月、本格的な償還が始まったが、大半が回収不能に陥る危険性が広がっているのだ。全国で一番貸付額が多い大阪府社会福祉協議会では、上限40万円の住宅準備金を不正に借りさせたり、働いても居ない会社からの離職証明書を偽造して貸付を受けたりといった不正事案が次々と発覚している。中には、貸付期間が終わったあとに生活保護の受給を申請することで、返済を逃れようとするケースも相次ぎ、背後には暴力団関係者が存在していることが明らかになってきた。「第二のセーフティネット」の現場で、いま何が起きているのか。闇社会に狙われたセーフティネットの崩壊の現場を取材し、今後の在り方を考える。
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