超小型の補助人工心臓、糖尿病用インシュリン自動注入器(コードレス型)…欧米では当たり前に使われている先端医療機器が日本では承認が遅れるなどして、使えないというケースが相次いでいる。これは「デバイスラグ」と呼ばれ、平均でアメリカが1.2年なのに対し、日本は2.9年というのが現状だ。「デバイスラグ」の背景には、工学系の専門知識を備えた審査官が育っていないことや、技術革新に伴う頻繁な「バージョンアップ」に対して、その都度一から審査するといった未整備な審査体制、さらに審査にかかる費用が高額で中小企業が参入しにくいなどの問題が指摘されている。日本の技術力を生かした「革新的医療機器」の開発には何が必要なのか、考える。
みんなのコメント