環境に優しい一方で、深刻な穀物不足を引き起こしたバイオ燃料。いま、食料と競合しない次世代バイオ燃料の開発が加速している。日本では、収量を1.5倍に品種改良したサトウキビを使い、その増収分を利用する方法や、“石油”を生産する特殊な「藻」を使う方法など、これまでになかったバイオ燃料が次々と開発されている。穀物不足の震源となった米国も次世代バイオ燃料の実用化を急いでいる。中でも注目されているのが「藻」。ビル・ゲイツら著名な投資家や政府の支援を受けたベンチャー企業が続々とプラントを建設。航空業界も試験利用に乗り出した。官民が一体となって取り組む米国に対し、日本では、大学と民間企業による「藻」の実用化プロジェクトが、先月、ようやく立ち上がった。次世代バイオ燃料開発の最前線を追い、その課題と可能性を探る。
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