打ち捨てられた炭鉱跡、巨大な製鉄所、役目を終えた水力発電所など、いわゆる「廃虚」が今、新たな観光地として、若者を中心にブームとなっている。中でも、去年4月に一般公開された長崎市にある端島(はしま)・通称「軍艦島」は、1年間に7万人が訪れ、15億円の経済効果が上がっている。しかし一方、歴史がさほど古くないものは文化財としての評価が難しく、保存は容易ではない。朽ち果て安全性に問題を抱えるものも多い。欧米では、「近い歴史を学ぶことは未来を生きるヒントを得ることだ」と考えられており、「廃虚」を公害など負の遺産も含めて残し、教育や地域の活性化に利用している。番組では、今、脚光をあびる「廃虚」が語りかけるメッセージと、その利用の課題を探る。
みんなのコメント