アガサ・クリスティーの小説「オリエント急行殺人事件」でも有名な国際寝台列車・オリエント急行が、12月13日で126年の歴史に幕を降ろす。オリエント急行は1883年、パリ・イスタンブール間で運行を開始。5つの国を越えて東西ヨーロッパを走り抜ける豪華客車として各国の王侯貴族に重用された。第二次大戦後は航空機に輸送の主役の座を奪われて通常の寝台列車へと姿を変えたが、冷戦中も厳重な国境検問の下で東西を結び続けた。さらに冷戦崩壊後は「出稼ぎ列車」として旧東側諸国から大量の労働力を送り込んだ。番組では、ラストランを迎えるオリエント急行に同乗。ベテラン乗務員や思い出を求めて欧州中からやってきた乗客たちを取材。列車廃止の背景にあるヨーロッパの国際鉄道完全自由化の動きにも触れつつ、情緒溢れる名物夜行列車の最後の姿を追う。
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