6月11日、日本の月探査機「かぐや」は総ての観測を完了し、月面に衝突し使命を終えた。約1年半に及ぶ月の観測の最終段階において、「かぐや」は高度をジェット機とほぼ同じ10km(これまでは100km)にまで下げ、月の映像をハイビジョンで送り続けた。これまで観測が難しく”探査の空白地帯”と長くいわれてきた月の北極・南極の姿も鮮明にとらえている。月の北極・南極は、一年を通して太陽光発電ができ、かつ水の存在が示唆されているため、有人月面基地の最適な場所である。「かぐや」はレーザー高度計を使っての観測で、世界初の『月の北極・南極の地形図』を作り上げた。このデータは、つづくNASAの月探査でも活用されている。有人長期滞在にむけた新時代に突入した月面探査を、「かぐや」の最新画像とその成果から描く。
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