欧州共通通貨ユーロの導入から10年、今や16カ国が参加し、域内の経済成長を支えてきたユーロが転機を迎えている。世界金融危機以来、デンマークやスウェーデンなどユーロに消極的だった国々が軒並み導入の意向を表明。自国通貨の暴落などで、弱小通貨のもろさが露呈したためだ。こうした求心力を活かしてユーロ圏を拡大し地域経済強化に結びつけたいところだが、ことは簡単ではない。どの国も金融危機で実体経済に打撃を受け、財政赤字水準などユーロ参加資格のクリアが難しくなっているのだ。こうした中、参加の基準を厳格に適用すべきか否か、ユーロは大きな岐路に立っている。弱小通貨の悲哀を味わったデンマーク、遠のくユーロへの道に苦闘するリトアニアの実情をルポ、危機で浮き彫りになったユーロの強さと課題を検証する。
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