キング牧師が「I have a dream!」で知られる演説で人種差別の撤廃を訴えてからおよそ半世紀。アメリカ初の黒人大統領が誕生し、人々は人種による差別や偏見といった垣根が従来よりも低くなった社会の到来を実感している。ノースカロライナ州では、スラム地域の再開発計画「HOPE」によって、低所得の黒人しかいなかった地域に様々な人種が融合して暮らす公営住宅を建設した結果、人々の人種意識は大きく変わり、今回の大統領選挙でもオバマ氏が勝利する土台となった。しかし一方で、黒人など少数派の人種を優遇してきた政策はもう必要ないとして廃止を決める州も出始め、経済格差などで現実に不利な立場に置かれている黒人たちから困惑の声も上がっている。人種の壁は乗り越えられるのか。人種の”るつぼ”と呼ばれる多民族国家・アメリカの最新情勢を伝える。
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