鮮魚の流通で今、大きな変化が起きている。これまでは漁業者→漁港の卸→仲買→消費地の卸→仲買→小売店という何重もの流通業者を経ていたが、大手スーパーチェーンが漁港での直接買い付けを本格的に始めたのだ。今や鮮魚の購買は量販店が7割を占め、長年続いた鮮魚流通の”革命”と注目されている。背景にあるのは、食の安全や新鮮さへの消費者ニーズ。複雑な流通経路の鮮魚は、鮮度や衛生面などの安全性が確認し難い傾向があった。また燃料高騰などで苦況に立つ漁業者側も直接取引を大歓迎。流通業者を通さないことで、収入増が見込まれるためだ。一方、流通業者は、これまで以上に存在意義を問われている。中には、中小スーパーや鮮魚店との連携を強化して生き残りを図るところも現れた。激変する鮮魚流通の最前線と、私たちの食卓がどう変わるのか検証する。
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