食糧危機を背景に、世界に急速な勢いで広がる遺伝子組み換え作物(GMO)。日本では、消費者の健康や環境への不安が強く、GMOの商業栽培はまだされておらず、食品メーカーもGMOを原材料とする食品の販売に慎重だ。しかし、アメリカやカナダなどで大豆やとうもろこしのGMO化が進む中、食品メーカーが「非GMO」だけを選んで、原料を入手することが年々困難になっているのが実情だ。さらに今年に入って、これまで非GMOの有力な供給国だったオーストラリアで、干ばつをきっかけに食用油に使うナタネのGM化が解禁、衝撃が走っている。さらに、日本でも自給率向上を実現するためには、GMOの栽培が必要だと声をあげる農家も現れた。食料の6割を輸入に頼る日本。GMOを巡る日本の現状を描きながら、今後、GMOとどう向き合っていくべきか、考える。
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