厚生年金の算定基礎となる標準報酬月額の改ざん問題。舛添大臣直轄の調査委員会が、改ざんの疑いが極めて高く、しかも既に年金を受給している2万件を対象に調査を始めて1か月余りが経った。年金記録の改ざんはなぜ行われたのか。なぜこれほど大規模に行われたのか。NHKの独自取材でその実態が次第に浮き彫りになってきた。法律では会社が存続している限り税金や社会保険料を納めなくてはならない。経営が厳しくなった場合、税金は減免措置があるが、社会保険料にそうした措置はなく、売掛金などの差し押さえを余儀なくされる。こうした事業主の徴収逃れを助けるために社会保険庁の職員が改ざんを行っていたケースがあった。さらに、事業主が全く知らない間に社会保険庁の職員が長期に渡って年金記録を改ざんしていたケースもあったという証言を複数の関係者から得た。都道府県や社会保険事務所ごとの収納率競争で良い成績を修めることが出世や天下りのチャンスに繋がるため、100%近い社会保険料の徴収率を確保することが目的だったという。年金記録が欺かれた実態を追跡取材で、浮き彫りにする。
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