血糖値を測るため指先に小さな傷をつける採血用器具。本来は個人が専用で使う器具が、全国1万1755の医療機関で使い回しをされていたことが明らかになった。肝炎などのウイルス感染が起きる恐れがあり、イギリスやアメリカではこの器具が関係したと見られる死者も出ている。こうした危険な行為が、なぜ医療機関で蔓延していたのか。実は厚生労働省は2年前、海外での事例を受けて使い回しを禁止する通知をしていたが、その情報は都道府県レベルで止まり、医療現場にほとんど届いていなかったのだ。背景には、厚労省が発する医薬品や医療器具に関する「通知」を現場に届けるシステムそのものが存在していないという現実があった。その死角を明らかにするとともに、先進地イギリスの情報伝達システムを参考に、対策を考える。
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