深刻化する一方の地方の医師不足。人口当たりの医師数が全国39位の新潟では、行政があの手この手の医師確保対策に乗り出した。県外の医学部に通う新潟県出身の学生に働きかけたり、県内の高校にメディカルコースを新設して医大進学を支援したりと、様々な施策を試みている。こうした地方の医師不足の背景には、臨床研修医制度の改正後、研修医が自由に病院を選ぶようになり、大学医局が従来担ってきた「地域の医師の供給源」という機能が薄れたという現実がある。そこで一部の自治体や地域では、独自に、若手医師が望む研修環境を積極的に整え、「マグネット・ホスピタル」と呼ばれるような基幹病院を作って、地域で働く医師を確保する動きがはじまった。さらに、地域医療に焦点を当てた独自の研修プログラムを実施し、研修希望者が大幅に増加した病院グループも出てきている。地方の医療再構築の最前線を追う。
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