医療現場のなかでも、小児科・産科は特に人手不足が深刻である。その背景のひとつとして、離職率の高い女性医師が多いことがある。一人の女性医師が出産や育児で職をいったん離れ、それをきっかけに勤務ローテションが崩壊、診療内容を縮小せざるを得なくなる例は少なくない。また、一時的な休職のつもりが、育児との両立の難しさ・休職中の医学の進歩を学ぶ機会がないなどの理由で本格的な復帰を諦める人も多い。これは、医療の世界が長く男性社会であったための弊害だが、現実には20代の医師の35%が女性になっている。そのような中、女性医師の離職を防ぐために病院全体の勤務状況を改善し、ひいては診療の質を上げていくことにつなげる試みも始まっている。医療におけるワークシェアリングの最前線に迫る。
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