老後のためにお年寄りが蓄えてきた財産。それを守ろうと8年前に始まったのが「成年後見制度」だ。親族だけでなく弁護士や司法書士など第三者が後見人となって、認知症になったお年寄りの財産管理を行ってくれる。しかし今、この制度が悪用され、後見人に財産を騙し取られる事件が相次いでいる。後見人が口座から勝手に金を引き出し土地や家屋まで売り払ったケース。後見人が遺言書を勝手に書き換えたケース。去年、財産を横領したなどの理由で解任された後見人は、およそ200人に上った。背景には、法律上、後見人に誰でもなれるという事情や、裁判所の人手不足などからチェックが不十分で、財産管理を後見人に任せきりであることなどがある。お年寄りの財産を守るはずの後見人によるトラブルが何故起きるのか。その実態と対策に迫る。
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