去年末、農水省が発表した「郷土料理100選」。それぞれの地域の食材をどう料理に結実させてきたか、まさに「食の知恵」の集積である。しかし今、継承されず消えて行く郷土料理も多い。「地産地消」を支える郷土料理の消失は野菜の栽培にまで影響し、日本の食文化の衰退を招く恐れまで出ている。一方で、土地の気候・風土に合った料理は、食習慣の乱れを解決する切り札としても見直され始めている。岩手県軽米町では「ひっつみ」が栄養不足に陥りがちの独居高齢者に供され、青森県八戸市では「せんべい汁」が幼稚園児の野菜嫌いの克服に一役買っている。現代における郷土料理の可能性を伝える。
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