日本の社会保障の根幹をなす国民健康保険。いま、貧しくて保険料を支払うことができず、医療費10割負担の「資格証明書」を交付される人が急増し、その結果、命を落とすケースが全国で相次いでいる。実は、「病気の人々は保険証を維持できる」というセーフティネットがあるにもかかわらず、それが機能していないのだ。背景には、滞納世帯が増え続ける中、「資格証明書」を積極的に交付し、徴収率を上げることに躍起になっている自治体の姿がある。どれほどの命が、なぜ失われているのか。NHKでは始めて500余りの医療機関を対象にアンケート調査を行うとともに、資格証明書の交付率が全国で2番目に高い広島県の事例を徹底ルポ。命を守るための制度の裏側で何が起きているのかを明らかにするとともに、どうすればいいのか、様々な事例から考える。
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