いま、レアメタルを手に出来ないハイテク王国ニッポンの未来が危ぶまれている。レアメタルの価格が高騰しているのだ。液晶テレビの表面に透明電極膜を作るのに必要なインジウムはこの5年間で高いときには10倍以上に。また、自動車部品や精密機械の加工に使う超硬工具の主原料タングステンは4倍以上に跳ね上がった。貴重で、埋蔵地に偏りがあるレアメタルをめぐり、世界規模での争奪戦が激化している。危機感を募らせた資源エネルギー庁は去年秋からレアメタルの安定確保に向けた議論を開始。国家プロジェクトとして地球規模での探鉱開発、国内のリサイクル実験や代替材料の開発を行っていく方針を固めつつある。商社の中には、これまで依存してきた中国から手を引き、新たな産出国を開拓しようと乗り出した企業も現れ始めている。多国間競争の中で苦戦を強いられている日本。その現状と課題を伝える。
みんなのコメント