世界的に禁止されている臓器売買。それを事実上容認し、法制化しようという動きがフィリピンで始まっている。貧しさから腎臓を売る人が後を絶たず、売買が横行する実態に歯止めがかからないためだ。背景には、日本を含め、海外から腎臓の移植手術を求めてフィリピンにやってくる患者の急増がある。闇取引による売買を法制化することで、トラブルを防ぎ、腎臓を提供するドナーの権利を保障するのが目的だと主張する政府。一方で、貧困層への搾取をかえって助長するという反対の声も上がっている。貧しきものから富めるものへ、貧しき国から富める国へ、横行する腎臓売買の実態と法制化を巡る波紋を追う。
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