2月12日、広島で開かれる「若年期認知症サミット」。家族の会が中心になり、本人、家族、医師ら600人が参加して、若年認知症の人が抱える問題と支援のあり方を探る、画期的な試みである。働き盛りの認知症の最大の問題は、「仕事」をどうするか。認知症になっても働き続けたい本人、雇い続けるか判断を迫られる企業。多くの認知症の人たちが、偏見を恐れ、会社に病名すら告げられずに仕事を続け、最終的に退職に追い込まれ、家族も危機に陥る。そうした中、認知症であることをオープンに語ることで、職場の理解を得て、仕事を続けている男性もいる。サミットで本人として講演を行い、切実な思いを訴えた中田新吾さん(43)もその一人。会社側は今月、社内報で中田さんの病気のことを伝え、社員に理解を求めることも決めた。65歳以下で発症する「若年認知症」は推定10万人。専門家の間では増加しているという見方が強く、厚労省も実態調査に乗り出した。働き盛りを襲う病に、職場はどう向き合い、社会はどう支えていくべきなのか。模索を続ける現場を追う。
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