世界最大の産油国サウジアラビア。原油高による好景気に沸くこの国で、今一番の問題となっているのが、働かない若者の増加だ。国の収入の8割が石油の輸出でまかなわれ、教育費から医療費まですべての公共サービスは無料。納税の義務も無い。「働かなくても食べてゆける」状況に労働意欲を失い、若者の失業率は30%に達している。政府は、技術者を養成する職業訓練校を各地に設立するなど、失業対策に乗り出しているが、原油高の中、国民の危機意識は薄く、効果は上がっていない。時間をもてあました若者の中には、ネットを通じて洗脳され、アルカイダのテロリストになるケースも少なくない。原油高がもたらした好景気の下で苦悩するサウジアラビアの知られざる実態を描く。
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