春、南西諸島で生まれた蝶が、初夏には本州に渡り秋に再び南西諸島に戻る。”アサギマダラ”と呼ばれる蝶は渡り鳥のように毎年、2千キロもの距離を移動しながら生息している。この蝶の生態を解明したのは、全国に数千人いる蝶の愛好家たち。捕らえた蝶の羽にマジックで捕獲場所と日付を書いて放し、別の地域で再捕獲した人がインターネットの掲示板にその情報を載せる事で判明した。今、愛好家のネットワークは国境を越え、蝶が台湾にも渡る事も分かっている。か細く非力な蝶が、どうやって海を渡るのか。また、これまで津軽海峡を越える事がなかった蝶が近年、北海道やサハリンで目撃されるようになったのは何故か。市民調査が明らかにしたアサギマダラの生態。そのロマンと謎に迫る。
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