今年5月、厚労省は生活習慣病のリスクを計る新しい基準に”メタボリック・シンドローム”を採用し、「男性の2人に1人、女性は5人に1人が生活習慣病の予備軍」と発表した。メタボリック・シンドロームは、昨年、日本内科学会が動脈硬化のリスクを計るために作った目安で、「高血圧」「高脂血症」「高血糖」以外に「腹囲」が診断項目となっている。男性の場合、腹囲は85㎝未満、女性の場合は90㎝未満が安全とされた。厚労省の発表以来、各地の自治体や流通・食品などのメーカーがメタボリック・シンドロームに注目した健康診断やビジネスを相次いで始めた。その一方で、この新基準の統計学上の問題点や取り扱いを巡る行政の対応に疑問の声もあがっている。どうすれば生活習慣病の予防ができるのか。有害なものを社会的に排除していく米国の取り組みも交えて検証する。
みんなのコメント