国民病とされる糖尿病の患者数は、予備軍を含め1600万人に達する。その糖尿病の前段階は、いままで危険は少ないと考えられていたが、実はその段階で狭心症や心筋梗塞の危険性が2倍にもなる等、深刻な影響があることが分かってきた。筋肉の衰えとともに、食事で摂った糖がすぐ分解できなくなり、食後の数時間だけ高血糖状態になる、いわゆる食後高血糖である。食後高血糖は「隠れ糖尿病」とも言われ、肥満でもないため、健康診断でも見つけにくい。欧米では、糖尿病の危険ありと判定する血糖値(空腹時)を100に引き下げるなど、食後高血糖の早期発見につながる対策がすでに始まっているが、日本では、検査値の見直しなどの具体的な動きはとられていない。そんななか、自治体のなかには、独自の健診体制を作り上げ、隠れ糖尿病の危険を減らす試みに乗り出したところもでてきた。食後高血糖の現状と予防策を検証し、糖尿病対策の最前線をリポートする。
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