地方の医師不足対策としてはじまった「遠隔医療」。大学病院の専門医がモニターを通して離れた場所の医者にアドバイスをしながら緊急手術を行うなど、地方を中心に実用化されつつある。その一方で、このシステムを予防医療に利用して、医療費削減に活かそうという動きも出てきた。住宅と病院をネットで結び、住民の血圧や心電図などを定期的にモニターする健康管理のシステムが試行されはじめたのだ。去年4月には「日本遠隔医療学会」が設立され、高速ネットワークを使った医療の普及がより一層高まっている。しかし、診断を画像やデータで行なうことへの不安や、設備投資へのコスト負担など課題も多い。医療の現場を急速に変えつつある「遠隔医療」の最前線と本格普及への課題を追う。
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