今、日本全国で急速に「ムラ」が姿を消そうとしている。農水省の統計によれば、前回の調査に比べ、わかっているだけで、全国で5千もの集落が消えた。山間部の集落を抱える地方の自治体は、行財政基盤の強化を狙い「平成の大合併」を推し進めたが過疎化は一層進み、今年ついに全国の過疎地比率は50%を越えた。多くの集落では行政サービスの低下とコミュニティとしての機能が崩壊する中で、高齢者だけが取り残され、消滅の危機に晒されている。集落の消滅は、山林や田畑を荒廃させ、土砂崩れや地滑りを多発させるため、人口が集中する下流域への影響も深刻だ。全国一人口減少が激しい秋田県と、県内の80%が過疎地となった島根県を舞台に、集落消滅の現実と再生への模索をリポートする。
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