第二次大戦前、フィリピンに移住した日本人男性と現地の女性の間に生まれ、戦後の混乱で取り残された「フィリピン残留日本人」。そうした人々のうち10人が今月初旬、初めて日本の土を踏んだ。「自分は日本人の子供」と主張しているものの、父親を特定できないなどの理由で、いまだ身元が確認できない人々は現在、フィリピンに800人いるとされる。彼らは「生きている間に、日本人として認めて欲しい」と切望している。こうした人々の身元調査が始まったのはようやく10年前、地元の日系人会などが中心になって関係者探しや情報収集活動を行ってきた。しかし身元の確認はますます困難になっている。今回、ある女性は、生き別れになってきた兄と60年ぶりの再会が実現。別の女性は、最近になってアメリカの公文書館で発見された日本人捕虜の記録が、身元確認につながるのではないかと来日に大きな期待を寄せた。来日に至るまでの彼女たちのさまざまなドラマ、そして日本での活動を追った。
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