3年前に鳴り物入りで導入されたものの「学力低下」批判で曲がり角を迎えている、小・中学校の「総合的な学習の時間(総合学習)」。今、全国の教育関係者がその動向に注目しているのが、長野県の市立伊那(いな)小学校だ。伊那小には時間割もチャイムも通信簿もない。2年生のクラスではヤギを飼いながら数の概念や表現力、社会の仕組みを学ぶ。30年前からこうした独自のカリキュラムを続けてきた伊那小は「総合学習の先進校」と言われてきた。そして今、総合学習の見直し論が強まる中で、教師たちは総合学習と学力向上を両立させようと新たな取り組みを始めた。とくに高学年のクラスでは、総合学習の中でも今まで以上に算数の知識が身に付くような工夫をこらそうというのだ。番組では、総合学習の効果と必要性が問われる今、伊那小学校の独特の授業と、学力低下という壁の前に悩みながらも新たな道を切り開こうと奮闘する教師たちを追う。
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