去年、日本列島は、台風や集中豪雨による災害に次々と見舞われた。死者・行方不明者は過去20年で最も多い238人、その半分以上の126人が65歳以上の高齢者だった。
10月に列島を縦断した台風23号(死者95人)では、兵庫県北部で堤防が決壊し、住宅や農地が濁流に飲み込まれた。大水害から半年。高齢化が進んでいるこれらの地域では、農業などの復興がままならない。自力で立ち直る地域社会の力、いわば”蘇生力””復興力”が低下しているからである。一方、大きな被害を受けた自治体では、水害の教訓を活かす取り組みが始まっている。危険が迫っているという具体的な情報をいかに早く伝達し、安全な避難に結びつけるか、安全で利用しやすい避難所をどう確保するか、検討が急がれている。災害から高齢者の命や暮らしを守るためには何が必要なのか。被災地の動きと学ぶべき課題を報告する。
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