「昆虫の遺伝子でがんや脳梗塞を治す。」
昆虫の持つ特殊な機能に注目し、新薬開発などに役立てようという動きが本格化している。
4億年前に誕生し、地球上に100万種以上いる昆虫は、他の生物にない強い遺伝子を持つ。たとえば、モンシロチョウの蛹の体液はがん細胞を死滅させ、カブトムシの幼虫は抗生物質が効かない細菌を殺す機能を持つことが最近の研究でわかってきた。昆虫の遺伝子を最先端のバイオテクノロジーと掛け合わせ、医薬品開発に役立てようと、本来、自然界に存在しないはずの改造昆虫も次々と生み出されている。
しかし、こうした改造昆虫は本来の種を駆逐し、生態系に異変を引き起こす危険があり、バイオ大国アメリカでも、論議を呼んでいる。昆虫バイオ研究の最前線とその課題を検証する。
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