今月8日からアメリカで開催されたシーアイランドサミット、最大のテーマは中東全域の民主化をどう進めるかという「拡大中東構想」である。ブッシュ大統領は、中東諸国の改革を支援し、民主主義の実現を促すとしているが、一方でテロの温床とする中東に変化を促したいという思惑が見え隠れする。
そうした中、中東各国はアメリカの進める「民主化」をめぐって大きく揺れている。親米国ヨルダンでは、政府が教育改革の一貫として「テロとの戦い」の概念を生徒に教える取り組みが始まっている。しかし教室では、パレスチナの抵抗運動を否定するものだと、生徒の間で反発が高まっている。一方、テロ支援国家とされるシリアは、アメリカの民主化は押しつけだと非難する一方で、独立系新聞の発行を新たに許可するなど、独自の民主化を進めていると政府はアピールしている。両国のルポを通して、中東の民主化の行方を占う。
みんなのコメント