人生の最期をどこで迎えるか? 病院や自宅ではなく、入居している施設を望む高齢者が増えている。「住み慣れた場所で最後を迎えたい」という希望に応えるため、既に全体の3割にあたる特別養護老人ホームが終末期ケアの取り組みを始めている。しかし特養は介護保険制度の下ではリハビリ後の帰宅を前提とする”仮のすみか”に過ぎず、「看取り」を行おうとすると人的・経済的な負担が現場にかかる。今年から、取り組みを始めた神戸市の特養では、夜間は職員1人あたり25人の入居者を担当。国の基準に沿った体制では、容態の急変への備えなどが必要な終末期ケアを24時間行うことは難しい。
自助努力で「看取り」に取り組む特養の実態と、多様化する末期の希望に応えるための制度のあり方を考える。
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