アメリカの攻撃、そしてタリバン政権崩壊から2年。世界の関心がイラクに集まる中、アフガニスタンでは、急速に治安が悪化。長年、内戦を戦ってきた民族同士の不協和音も聞かれ始め、復興は岐路に立たされている。国連は先月「緊急の国際支援がなければアフガンの復興は失敗するかもしれない」との報告書を提出した。
そうした中、世界で一本の映画が注目を集めている。タリバン政権の崩壊後、アフガニスタンで初めて製作され、世界各地の映画祭で受賞を重ねている映画「アフガン零年・オサマ」である。映画を撮ったセディク・バルマク監督(41)は、20年に渡り、戦争に翻弄される祖国の姿を見つめ、映画に描き続けてきた。タリバン時代には映像や音楽は全て禁止されたため、自らも映画を奪われ、難民となって戦火の中を逃げた経験を持つ。新しい映画には今も戦争の負の遺産に苦しみ続ける人々の現実を一人の少女に託し、描いた。
「世界が再びアフガニスタンを忘れれば、悲劇も再び繰り返されるかも知れない」
強い危機感を各国で訴え続けるバルマク監督。先月末の来日を機に監督へのインタビューを行い、監督が映画に込めたメッセージ、そして祖国の不安と希望を聞いた。
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