国立弘前病院が11年間にわたって、300人以上の患者に放射線を過剰に照射していたことが発覚した。当初、原因は放射線技師の単純な計算ミスとされていたが、その後の調査で、医師の指示が極めてあいまいだった事、技師側も指示を勝手に解釈し確認を怠っていた事が分かってきた。
放射線治療は日進月歩。患部を三次元的に狙い打ちする、効果の高い治療も可能になり、放射線治療を受けた患者数はこの4年で1.5倍に増えている。しかし、患者ごとに複雑な照射量の計算をこなし、コンピュータに入力していく作業が必要で、技能と知識を持った医師や技師の数が、機器の普及に全く追いついていない。
弘前病院のケースを検証するとともに、放射線治療の現場でいま何が問題となっているのか、明らかにする。
みんなのコメント