十分な技術や経験がない医師が内視鏡手術を行い患者を死亡させた慈恵医大の事件は、高度な外科手術法が次々開発される中、医師たちの能力が追いつかず、危険な手術が増えているという懸念を現実のものとした。
メスを使わないことから患者の負担が少ないとされてきた内視鏡手術は、メーカーの機器開発競争もあり急速に普及。しかしその陰で、臓器に穴を開けてしまうなどの死亡事故が多発していること、また特殊な技術が必要でリスクも高いことが患者にほとんど説明されていないことが明らかになってきた。事件を受けて泌尿器学会では、実技トレーニングや、助手として一定数の手術経験を不可欠とするガイドライン作りを始めた。
先進医療が抱えるリスクの実態と対策を探り、どうしたら安全・安心な手術が可能になるのか考える。
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