およそ35年前に日本人が原理を発見し、独自に開発を進めてきた技術が、今、世界の産業界から脚光を浴びている。
「光触媒」と呼ばれるこの技術は、酸化チタンが光を受けると有機物を分解する機能を応用したもの。既に「大気汚染物質を分解する」外壁材や空気清浄機、「抗菌消臭効果を持つ」家電製品などとして広がり始め、近い将来には1兆円規模のビジネスになると期待が集まっている。欧米やアジアの企業も本格的に開発を始めたことから、経済産業省は光触媒に関する基準を作り、その国際標準化を押し進めるなど、日本の産業競争力の強化に向けて動き始めた。
世界市場の中で、日本の独自技術を、産業としてどう育ててゆくのか。光触媒を巡って激しさを増す、メーカーや国の動きを追う。
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