この春、北海道の地域病院に医師を派遣し、地域医療を支えてきた札幌医科大学で、実際に地方病院に勤務していないのに、名義だけ貸して報酬を得る「名義貸し」が大規模に行われていた実態が明らかになった。
事件の背景には、教授を頂点に、医師の教育・研究・人事など全てを掌握してきた「医局制度」の問題があるとされ、札幌医科大では、1年以内に医局を廃止する事を決めた。医局の閉鎖性に起因するトラブルは、弘前大などでも明るみに出ており、今全国の大学病院で医局制度を見直す動きが加速している。医師自身も、医局制度の弊害に気がつき始め、医局を自ら飛び出し、臨床医としての腕を磨こうとするケースが増えている。
相次ぐ不祥事と改革を始めた医療現場を通して、医局制度の功罪と患者にとってより良い医療とは何か考えていく。
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