MRSAなど、これまで主に「院内感染」が問題になってきた抗生物質耐性菌。数年前から様々な種類の細菌が耐性化し、病院外での感染が広がるようになり、医療関係者たちに衝撃を与えている。
特に、多くの小児が感染する肺炎球菌は、北里生命研究所の調査によるとその8割が抗生物質耐性を持つようになっており、「治りにくい中耳炎や風邪」ばかりでなく、大人の生命をも脅かす髄膜炎を引き起こしている。耐性菌急増の背景には、抗生物質の乱用が大きく関係していると見られている。すでに耐性菌が広まっていることを前提にして、外来患者から細菌を採取、詳しい検査を実施したり、従来の抗生物質の使用法を見直す病院や診療所も現れた。
病院外に広がり始めた耐性菌の現状と、その対策の最前線を伝える。
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