熊本地裁で、国のハンセン病政策の違憲性を認めた歴史的な判決から1年。「強制隔離」、「断種」など過酷な政策の果てに、今も全国13の国立療養所で元患者4000人あまりが暮らす。
国の控訴断念後、元患者たちへの補償も決まり、先月、いよいよ社会復帰の支援策が始まった。しかし、社会に帰った患者はわずかにすぎない。
判決が出た熊本にある菊池恵楓園では、親兄弟以上のつき合いをしてきた二人の元患者の岐路が別れた。一人は35年ぶりに社会へ、もう一人は社会復帰を断念し療養所で。
なぜ社会復帰は進まないのか。社会から差別・隔離されてきた数十年の重みとは何なのか。彼らにとっていまだ解決されていない「人間回復」とは何なのか考える。
みんなのコメント