めざすのは"フル・インクルージョン" @山田賢治

先日、福島市で開かれた

「ふくしまボランティアフェスティバル」の司会を務めました。

 

ボランティアとして励んできた県内の個人や団体に、

知事や福島県社会福祉協議会の会長から、表彰状や感謝状が送られました。

このフェスティバルは、今回で20回目。

これまでの活動をスライドショーで紹介したときには、

震災の際の活動の様子を見て、「がんばったよね、ほんとみんなでがんばったよね」と、

当時を思い出し、涙を流しながらご覧になっていた方もいました。

 

記念講演は、Eテレで日曜午後7時から放送している、

障害者情報バラエティー「バリバラ」に出演中の玉木幸則さんです。

テーマは、

「障害のある人もない人もともに暮らせるまちづくり 〜一人ひとりが大切にされる社会へ〜」。

ところどころに、笑いを入れた語りに多くの人が聞き入っていました。

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 ソーシャルワーカーであり、兵庫県西宮市で障害者の相談支援に乗っている傍ら、

全国各地で講演活動も行っています。

この日は土曜でしたが、翌日の日曜は愛知県蒲郡市。

忙しいながらも、「みんなで考えたいことがいっぱいある。」と使命感を持って、全国を飛び回っています。

 

玉木さん自身、脳性まひがあり、だからこそ持っている違和感があると言います。

「障害があるのにすごいですね。これからもがんばってください」と言われた時。

「(心の中)障害があるかないかは関係ない。頑張っているよ!これ以上、何を頑張ればええの?」

 

“障害のある人が頑張る姿は、感動を与える”、

“障害者は頑張るものだ“という、固定化されたイメージ。

それが、障害のある人の「生きづらさ」につながることもあります。

私たちは、「障害」をどう捉えるか。

玉木さんからは、障害は「個人にあるもの」ではなく、「社会が作り出したもの」だと。

 

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私自身、これまでたくさんの“障害者”と呼ばれる人に接してきましたが、

接するうちに「障害って何だっけ?」と思うことが多々あります。

玉木さんのお話は、脳性まひゆえに聞き取りづらい時がありますが、

講演を聞いていると、始めよりも最後の方が断然わかるようになってきます。

やはり“接する”“関わる”ことが大事!

 

そのためには、障害のある人が外に出られるような街を、

ソフト・ハード両面で作っていくこと。

さらには、障害のある人もそれを待たずに積極的に外に出ること。

その両輪が、うまく機能していくことが求められます。

その結果、障害があってもなくても誰もが生活しやすい

「フル・インクルージョン(完全な共生社会)」へと変わっていくのではないでしょうか。

 

今回のフェスティバルの司会を務め、

地域で福祉活動を続けているみなさんの活動に敬意を表しながら、

その活動自体を孤立させないようにバックアップする

「支援者支援」の態勢も求められると感じました。誰もが幸せと感じられる社会へ、と。

 

“ふくしま“の”ふくし“を、これからも見つめていきたいと考えています。

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玉木さんとは「バリバラ」でかつて共演したことがあり、

控え室では話が尽きませんでした



山田 賢治

投稿時間:13:59