四国山地

2017年7月28日 放送

四国の中央を東西200キロにわたって貫く四国山地。名前がついているものだけで、600を越える峰々が連なる。この地の人々は、山の谷間をぬうように集落を築き、暮らしてきた。西日本第二の高さを誇る剣山(つるぎさん)の麓には、「ソラ」と呼ばれる集落が点在する。ソラの人々は斜度30度にもなる急斜面に畑を切り拓き、暮らしを立ててきた。斜面の土はどんどん下へ崩れるので、作付け前には「土上げ」が欠かせない。何をするにも大変な斜面の畑だが、寒暖の差が大きい山でとれた野菜は甘くておいしいという。
時に優しく、時に厳しい山の暮らし。古来、人々は山そのものを神と崇めてきた。春になると剣山には、白装束に身を包んだ農家の男たちが現れる。命綱なしに断崖絶壁をよじ登るという過酷な修行に挑むのは、集落の豊作を神に祈るためだ。また、深い渓谷や霧深い森が広がる四国山地では、山への畏怖の念から、数々の妖怪伝説が生み出された。今も、子どもたちは山遊びに出かけては、未知の妖怪と出会って帰ってくるという。
山の険しさに汗を流し、山の険しさに豊かさを見出す。四国山地に抱かれて暮らす人々の、いつまでも変わらない営みをみつめる。

旅のとっておき

「四国山地」を担当したディレクターの堀内です。
番組の取材にご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
「四国山地」と言っても、本当に広いです!
四国のまんなかを東西200キロにわたって連なる山々。
日本百名山として知られる石鎚山があるかと思えば、転がり落ちそうな急斜面の畑で農業を営む方々がいたり、妖怪伝説が残っていたり…。続きを読む

ポスター
四国山地
[協力] 三好市立下名小学校
[写真] 池田博範
[写真協力] 井上隆司
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