新日本風土記スペシャル 手の国にっぽん 名品名匠の旅
日本人は古来、自然の材料を生かすモノづくりの達人でした。土や木、糸や布、金銀銅。火や水を巧みに操り、時には風も味方につけ、日本人は、使いやすく美しい品々を作り暮らしを彩ってきました。
「手仕事こそは日本を守っている大きな力の一つだ」民芸運動の父柳宗悦は、日本を、「手の國」と呼んでいます。柳をはじめとした独自の審美眼を持つ目利きたちが、工芸の魅力を掘り起こしその価値を伝えてきました。そして今、戦国時代の目利き古田織部を主人公にしたコミック「へうげもの」のヒットにもみられるように、美のとりこのなった目利きと彼らが見出した工芸の美に、注目が集まっています。その一方、時代の激しい変化の中で、多くの職人技が消えています。
番組では、織部、宗悦、魯山人から黒澤明や中田英寿にいたるまで、古今の個性的な「へうげもの(目利き)」十人の愛した工芸を追います。それらは、材料的にも技術的にも現代の日本ではもはや作ることが困難なものばかりです。
日本人は何を失い、何を守ってきたのか、目利き十人十色の物語を積み重ねながら、伝統工芸の至宝の魅力と、それを育んだ日本の風土を描きます。
<オムニバス項目(抜粋)>
●新潟 佐渡 船箪笥 ~荒海が育んだ美~ (思想家 故柳宗悦)
●岐阜 美濃和紙 ~流水を操る手技~ (元サッカー選手 中田英寿)
●堺 和包丁 ~受け継がれた切れ味~ (料理人 マイケル・ロマーノ)
その他・・・
●青森 古布 (民具研究家・田中忠三郎と 映画監督・黒澤明)
●東京 江戸和竿 (作家 夢枕漠)
●岐阜 志野(しの)焼 (北大路魯山人 と 荒川豊蔵)
●広島 熊野筆(板画家 棟方志功)
など、魅力的な伝統工芸の名品と、魅力的な“へうげもの”が登場します。