2012年01月10日 (火)

柳宗悦も愛した船箪笥

 「手の国にっぽん」を担当した佐藤です。各地の伝統工芸十品と、それを愛した目利き十人の旅は全国9カ所、さらに番組初の海外にまで及びました。


 今回は哲学者・柳宗悦の愛した船箪笥が生まれた場所、佐渡島と船箪笥にまつわる旅をご紹介します。とにかく想像力フル活動の旅です。

hiroshima.jpg


 まずは、直江津港から小木港へ渡る船に乗ります。島までのおよそ1時間、3メートル以上にもなる日本海の荒波越えを体験(冬限定)。立っていることすら困難な甲板の上から海を眺めると、300年以上前に船箪笥とともに同じ海を渡っていたマッチョな船乗りたちに思いを馳せることができます。


 小木の港町を歩くなら、港にある観光局に前もって連絡をしておけば、北前船の寄港地として栄えていた当時の話をしながら、案内してくれるガイドさんがいらっしゃいます。船乗りたちの豪快な遊び話、色気のある話などを交えて遠い昔の賑やかな町並みを感じながら散策することができます。


 その後は、小木から少し足を伸ばして、宿根木という場所へ。ここは伝統的建造物群保存地区に指定されています。海辺に広がるこの地区は船大工や船主たちが住んでいた集落。船大工たちが建てた家々の独自の板塀に囲まれた石畳の道を歩くと、中世の名残を味わうことができます。当時船主だった民家も公開されています。外観は質素な作りですが、室内は総漆塗りの立派なものです。


 そして、この地区の側にある小木民俗博物館にある実物大の北前船は必見です。船内にも入ることができ、船頭部屋に置いてある船箪笥も見ることができます。大きい船ですが、いっても木造船。甲板に立ってみると意外とこじんまりしていて、これであの荒海を渡っていたのかと思うと、海の男たちがどれだけ屈強だったかが容易に想像できます。


 最後は、小木から少し離れますが、船乗りたちが実際に使っていた船箪笥が多くある佐渡民芸館へ。骨董店を営むこの店では店主の解説つきで実際に船箪笥を触って見ることができます。もともと船箪笥は金庫として使われていましたが、北前船の繁栄とともに、船頭のステイタスとなり、ゆくゆくは船頭たちが芸者に作って与える箪笥となっていくという流れがあります。そんな船箪笥の時代変遷も見ることができます。


 この旅は、想像力をフル活動させながら300年以上前の時代を感じて楽しむちょっと変わったものですが、たまにはこんな小旅もいいかもしれません。

投稿時間:10:34


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

カレンダー

2019年04月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

バックナンバー


RSS

page top